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感想を語ったり普通に日記だったりするブログ。時々愚痴も出る。 語るのは主にTRPGリプレイものとサンホラと自サイト関連の話。
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サイトの方には、日記絵と一緒に上げたいので明日ー。
しかし一足先にこっちに投下してみるよ!
『DXでシンデレラ?』。?も立派なタイトルです。

注意書き
・リプレイキャラで童話のパロというブツです。苦手な方は戻るボタンを押すことをおすすめします。
・気をつけてはいますがキャラのイメージが違ってもしょうがないです。
・リプレイ形式の表記になってますがリプレイではありません。
・GMのポジションが不可解です。
・特に後半がグダグダ。

・上記を踏まえた上でそれでも構わないぜ! という人は続きを読むからどうぞ。
 


+ + + + + + + + + +

 DXでシンデレラ?

GM:昔々あるところに、シンデレラというとても可愛らしいこいのぼりがいました。
シンデレラ:はにゃっ!? それじゃああたしが本当にこいのぼりみたいじゃないですか~!
 せめてこいのぼり"のような体型の"をつけて下さい!
遠くの誰か:(それでいいのかよ支部長)
GM:えー、シンデレラにはいじわるな継母と二人の姉がおりました。
シンデレラ:スルー!?
GM:今日はクリスマス。奇しくも王子の誕生日と同じ日です。
 お城では王子の誕生日祝いと、クリスマス祝い、ついでに花嫁探しも兼ねた何やら欲張りな舞踏会が開かれることになっています。
 しかしシンデレラは舞踏会には行けません。何故なら、舞踏会に着ていけるようなドレスがないからです。
 継母は自分の娘達を王子に嫁がせようとしており、シンデレラについては舞踏会に連れて行くつもりすらないのです。
シンデレラ:うぅ……あたしも舞踏会に行きたいです……。
GM:噂をすればなんとやら、継母と姉達がやってきたようです。
継母:シンデレラ! シンデレラはどこへ行ったんです?
シンデレラ:は、はい! ここにいます。
姉2:やあシンデレラ。ボクの言いつけは終わった?
 舞踏会用のドレスを作っておくように言ったよね。
シンデレラ:はい! ほらこの通り!
GM:シンデレラはせっせと縫い上げた3着のドレスを絆創膏だらけの指で差しました。
 しげしげとドレスを眺めていた姉2は、ぽつりとつぶやきます。
姉2:へぇ……『避けることができないものは抱擁してしまわなければならない』
 ちゃんとやったようだね、シンデレラ。
シンデレラ:ありがとうございます。でも、あたしの分のドレスがないんですけど……
姉1:シンデレラさん。私の言いつけはできましたか?
シンデレラ:あ、そっちも大丈夫です! 洗濯物も全て取り込んでアイロンをかけておきました!
GM:眼鏡を光らせついでに広いおでこも少し光らせ、姉1は洗濯物を観察します。
姉1:しっかり乾いているし、皺、汚れもなし。
 なるほど。確かに出来ているようですね。
シンデレラ:そ、それで、ドレスを……
継母:シンデレラさん。まだ私の言いつけが済んでいないと思われますが?
シンデレラ:お、義母さま……!
継母:部屋の中の成分を解析中……解析終了。
 まだ部屋中に埃が残っているようですよ。せめて残存量を0.01%以下まで抑えて下さい。
シンデレラ:無理です! 無理ですよそんなの~!
 人が動いたら空気中に埃が舞い上がるんですから全て取るなんて出来ません!
継母:ですから、全てではなく0.01%と言っているんです。
 スッポン鍋でも食べながらゆっくりやって構いませんからね。
シンデレラ:そ、そんなぁ~……!
姉1:お母様、そろそろ舞踏会が始まりますよ。
継母:あら、もうそんな時間ですか。
 それでは私達は舞踏会に行ってきますから、留守番は頼みましたねシンデレラ。
姉2:『運命とは、最もふさわしい場所へと貴方の魂を運ぶのだ』
 舞踏会に行けないキミはつまり、そういう運命だったということだね。
GM:シンデレラの用意したドレスを着込んだ3人は、あっという間に馬車に乗って行ってしまいました。
 後に残されたのは、みすぼらしい服を着たシンデレラが一人。
 ああなんてかわいそうなこいのぼり。
シンデレラ:こいのぼりじゃなくてシンデレラですってば!
 と、とにかく! 今からでも掃除をして、なんとか舞踏会に……!
GM:それからシンデレラは1時間かけて部屋の掃除をしました。
シンデレラ:こ、これで義母さまも納得して下さるはず!
 でも……うぅ、さらに汚れて……。これで本当に灰かぶり姫です。
GM:時計を見ればもう舞踏会が始まっている時間です。
 きっと今頃、姉たちはお城で楽しく過ごしているのでしょう。
シンデレラ:今から行っても間に合わないし、それにこのみすぼらしい格好じゃ……。
???:心配はいらないよシンデレラ!
シンデレラ:はにゃー!?
GM:暖炉から出てきた不審者に、シンデレラは力いっぱい叫んでいました。
 不審者は体についた煤を軽く払うと、へらへら笑いながら言います。
不審者:そんな風に叫ばれるといくら僕でも傷つくよ?
シンデレラ:ご、ごめんなさい。
 でもなんで暖炉から出てくるんですか。
不審者:いやだなあ。聖なる夜に不審者が入ってくる場所といったら煙突に決まってるじゃない。
シンデレラ:…………。
不審者:あ、ちゃんとサンタ帽もかぶってきたよ。聖夜だからね。メリークリスマース!
シンデレラ:……えっと、電話電話。
不審者:おっと、警察を呼ばれのはちょっと困るんだよねえ。
GM:不審者はイバラを伸ばすと受話器を奪い取りました。
 シンデレラの方に向き直ると、相変わらずへらへらと笑いかけています。
 本能的な恐怖を感じて、シンデレラは一歩二歩と後ずさりしました。
シンデレラ:は、はにゃ~……!
不審者:なんでそんな怖い顔するのさあ。
シンデレラ:こ、来ないで! それ以上来たら撃ちますよ!?
不審者:その銃で僕を撃つつもりかい? 無駄だと思うけどねえ。
 ……いかん、これじゃ話が進まない。
シンデレラ:誰のせいですか誰の!?
 面白そうに見てないで収拾つけて下さいGM!
GM:了解しました。
 シンデレラの警戒を解くために、不審者は自己紹介をしました。
不審者:大丈夫だよシンデレラ。僕はかわいそうなキミを助けにきた魔法使いだからね!
シンデレラ:魔法使い?
不審者→魔法使い:魔法は使えないけどね。

だめじゃないですか。

魔法使い:魔法は使えなくてもエフェクトは使えるよ。ほら。
GM:魔法を使えない魔法使いがシンデレラの服に触れると、なんということでしょう。
 薄汚れた服がドレスに変わってしまいました。
シンデレラ:す、すごい!
 すごい……ですけど……。
魔法使い:ん?
シンデレラ:あのぅー……もう少しセンスのいいドレスに出来ませんか……?
 これもこれで着て歩くのは恥ずかしいんですけど……。
GM:シンデレラが身に纏う服はよく言って個性的、しかし率直に言えば奇抜すぎるドレスになっていました。
魔法使い:面白くていいと思うけどなあ。じゃあ、いつぞやあの子が着ていたドレスにしようか。
GM:魔法使いがつぶやくと、今度はオレンジ色のかわいいドレスになっていました。
 その新しいドレスにはシンデレラもご満悦です。
シンデレラ:はにゃ~、ありがとうございます~!
魔法使い:よかったねえ。
 あ、そのエフェクトは12時までしか効果がないから気をつけてね。
 さてさて、ここからお城まで歩いて行くのは大変だよね。馬車に乗って行こうか。
シンデレラ:馬車……ですか?
魔法使い:なんだい不安そうな顔をして。大丈夫大丈夫。ほら、外に出て見てごらん。
GM:言われるまま外に出ると、機械の馬がいます。
 機械の馬が4頭、奇怪な形をした馬車を引いています。
シンデレラ:はにゃ――っ!?
魔法使い:いやあ、喜んでもらえてうれしいよ。
シンデレラ:喜んでいるわけじゃなくてですね……!?
魔法使い:さあさあ、時間がないから乗り込んで。乗ったね? それじゃあ出発~。
GM:魔法使いが引く奇妙な馬車に半ば強引に乗せられて、シンデレラが向かうは舞踏会場。
 そこでどんな出会いが彼女を待っているのでしょうか。

GM:一方こちらは舞踏会の会場。華やかなドレスに身を包んだ娘さんたちが会場に集まっておりました。
 彼女達が向かうのは、もちろん王子のもとです。
女の子1:王子、王子! 一緒に踊らない?
王子:そんな気分じゃないんだ。
女の子2:一曲願えませんか?
王子:悪いけどお断りさせてもらうよ。
女の子3:王子! あたしと空手をしよう!
王子:何しに来たんだキミはっ!?
GM:もちろんシンデレラの姉たちも踊りを申し込みますが、王子は全て断ってしまいます。
姉1:メイド服で来た方が良かったのかしら。
姉2:真剣な顔で言っているところを悪いけど、それはないと思うよ。
GM:王子様はひっきりなしに踊りを申し込んでくる娘さんたちに疲れたのか、傍らの従者に言いました。
王子:ちょっと一人にさせてくれないか。僕は疲れたよ。
従者:まだ踊ってもいねえのに……。
 おい、お前ら。また後にしろ。王子は一人にして欲しいんだとよ。
女の子4:なんじゃ、従者のくせに偉そうな口をきく奴じゃのう。
従者:何が悲しゅうてアンタに偉そうな口って言われなきゃなんねーんだっ!?
 いいから散れ散れ!
女の子4:まったく……こんなことならやはり家でネットRPGをしておれば良かったわ。
GM:不満を言いながらも女の子たちは思い思いの方向に散っていきました。
 後に残されたのは王子と従者の二人です。
 また賑わいを取り戻した会場を眺めながら白髪の従者は言います。
従者:せっかくの舞踏会なんだから踊ればいいじゃねーか。
王子:僕は誰とも関わりたくないんだよ。関わらなければ、誰も傷つけずにすむ……。
従者:ったく……相変わらずネクラだな、お前。
王子:こればかりは変えられないよ。
 あ、そうだ。舞踏会の料理が残ったらとっておいてあげようか。
 しばらくまともに食べてないらしいじゃないか。
従者:憐れむな!? 俺を憐れむなよ!?
大臣:ふむぅ、せっかくの舞踏会なのに踊らずにいるとはいかんな王子。
 これは王子のために開いた舞踏会なのだぞ?
GM:妙に渋い声とともに、大臣服の上に黒いトレンチコートを着込んだ男が現れました。
 王子は彼を睨むと低い声で言い放ちます。
王子:僕はこんなもの……望んではいなかった。
大臣:君の意思は尊重したいがな、少年。
 お前が王子である以上、跡取りの話を考えないわけにはいかん。
王子:……それでも、僕は……。
??:ガハハハハッ! おるわおるわ、うまそうな人間どもがごろごろと!
大臣:むっ、何奴!?
GM:天井の窓を突き破って出てきたのは大きな獣です。
 狼のような姿をしたその獣の左目が赤く不気味に光っています。
獣:ワシは大妖怪よ! 長らく何も食っておらんから腹が減っておるのだ。
 運が悪かったと思って食われるんだな!
従者:ちょっと待て! これはシンデレラだろうが!
 なんでシンデレラに化け物が出てくんだよ!?
GM:あ、これは「シンデレラっぽいの」と「シンデレーナ」をモデルにしてますので。
従者:おい――!?
大妖怪:さぁて、どいつから食ってやろうか。
GM:大妖怪は舌なめずりをしながら会場内を見回します。
 そこへ大臣がずいと前に出ました。
大臣:待て。舞踏会の邪魔はさせんぞ、ジョン。
従者:誰だよジョンって。
大臣:今からこの銃でお前を切り刻んでやろう。
従者:銃で刻むって無茶言うなよバカ兄貴!?
大妖怪:あぁン? なんだ、このワシとやろうってのか。
 やめとけやめとけ。オメェの肉は不味そうで殺した後で食う気も起こらんしな。
大臣:やってみなければわからないさ。言っておくが、俺の攻撃は――音より早い。
GM:大臣がにやりと笑うと――大妖怪の攻撃を受けてにやりとした顔のまま吹っ飛んでいきました。
大妖怪:なんじゃい、口ほどにもない。
従者:使えねぇ――ッ!? 無駄にスペース取ってんなよバカ兄貴!
大妖怪:動いたらますます腹が減ったわ。さて、まずはどいつから食ってや――
GM:大妖怪の言葉が途中で途切れました。
 パンッと銃声が響いたかと思うと、大妖怪の頭がぐらりと揺らいたのです。
大妖怪:な、なんじゃ今のは!?
姉2:『剣で殴るよりも、笑顔で脅かす方が良い』
 力で物事を進めようとしても上手くいくとは思わないことだね、大妖怪?
継母:敵の危険度は高いと判断。火器使用制限を解除、戦闘モードに移行します。
女の子1:もー!! 王子に断られてちょっとイライラしてるんだから!
 まだ続けるっていうんなら、この鎌の錆びにしちゃうよ!
女の子3:王子の目の前で化け物を退治すれば空手をもっと認めてもらえるはずっ!
 よーし、やるぞー!!
GM:見ると、会場に集まっていた女の子たちは各々武器を構えて大妖怪を睨んでいます。
 大妖怪の背中に一筋の汗が流れました。
大妖怪:ま、待て。もしかしてワシ……ピンチ?
従者:俺が言えたことじゃないが、なんでこの国の女たちは殺意が高いんだ……?
大妖怪:ええい、ワシは泣く子も黙る大妖怪! いくらでもかかってくるが良いわ!
姉1:それでは遠慮なく。
GM:姉1がするりと大妖怪の懐に入り込むと、ワイヤーウィップで妖怪の巨体を締め上げました。
大妖怪:ぐ……ぬぬ! こんなものでワシを倒せると思うな!
姉1:……千切られましたか。さすがに手ごわそうですね。
女の子1:じゃあ今度はあたしから! 行っくよー!!
GM:女の子1が自分の体ほどもあろうかという大きな鎌をぶんと振り回します。

GM:王子は大妖怪から離れた場所で戦いを見守っていました。
 しかし女の子たちばかりが戦っていることに引け目を感じ、自らも戦場に出ようとします。
王子:僕も加勢を……。
従者:くらえ、アイスタワー!
 あ? おい、待てよ王子。いくらなんでも王子を前線に行かせられるか。
 優勢みたいだし、アンタはまだ様子を見てろって。
王子:だけど……。
大妖怪:うが――! なんなんじゃこいつらは!
GM:苛立ちと危機感が頂点に達した大妖怪は咆哮をあげました。大妖怪の猛る声に、一同は警戒し距離を置きます。
大妖怪:ええい、やっておれるか! しかしこのまますごすごと帰るのも癪じゃ。
GM:大妖怪は向きを変えると、離れていた王子に一気に詰め寄りました。
王子:え?
従者:しまった! カバーリングが間に合わねぇ!
GM:リアクションできる人がいない中、大妖怪は王子を担ぎ上げると一足で天井のシャンデリアに掴まりました。
大妖怪:土産の一つも持っていかんと大妖怪の名が廃るってもんよ。
 オメェらもいつか食ってやるから覚悟しとけぃ!
 それじゃあな! ガハハハ!
GM:そう言い放つと大妖怪は窓に向かって移動を始めました。
女の子2:逃がさないわ!
GM:相手の動きを正確に予測した女の子2が銃を撃ちますが、大妖怪は攻撃に怯んだ様子もありません。
 王子を脇に抱えたままあっという間に城の外へと跳躍して行きました。
 王子はノリと勢いで大妖怪にさらわれてしまったのです。
従者:ノリと勢いでかよ!?
一同:お、王子――!?

GM:その頃、シンデレラは馬車に揺られています。すれ違う人々から訝しげな顔で見られるのはもう考えないことにしました。
 機械の馬を操っていた魔法使いが、シンデレラに声をかけます。
魔法使い:もうすぐお城に着くよー。
シンデレラ:ありがとうございます魔法使いさん。何から何まで……。
魔法使い:いやいや、かわいそうなこいのぼりを助けてあげるのも魔法使いの役目だからねえ。
シンデレラ:こいのぼりこいのぼり言わないで下さいー! はんにゃー!
魔法使い:んんー?
シンデレラ:きゃっ!?
GM:馬車が急に止まったため、シンデレラはつんのめってしまいました。
 ぶつけたおでこをさすりながら、シンデレラは涙目で魔法使いを見ます。
シンデレラ:な、なんですかいきなり……。
魔法使い:いやー、なんかお城の方が騒がしいみたいでさあ。
シンデレラ:え?
GM:言われたシンデレラが馬車から城の方を見上げると、ふと不思議なものを見つけました。
 人にしては歪な形をした影があるのです。そして、それはどんどん大きくなっていきます。
シンデレラ:って、こっちに来てるってことじゃないですかー!?
GM:眼下に奇妙な馬車を見つけた大妖怪は、それのすぐそばに降り立ちました。
大妖怪:ん? なんじゃ、このけったいな形をしたモンは。
魔法使い:けったいだなんて失礼だなあ。わりとかっこいいじゃない。
シンデレラ:そんなこと言ってる場合じゃないですよ魔法使いさん!
 ほらあそこ! 化け物の腕の中に人が捕まってます!
王子:逃げるんだ、キミ! こいつは危険だ!
GM:大妖怪の腕の中から王子が叫ぶ中、魔法使いはのほほんとつぶやきます。
魔法使い:おやおや。あれって、王子じゃないかな?
シンデレラ:王子様!? ポジションはお姫様みたいですよ?
王子:……言わないでくれ。
 僕だっていつまでも大人しく捕まってはいない!
GM:王子は腕を大きな鉤爪状に変形させると、自分を拘束している腕に切りつけました。
 突然の反撃に驚いた大妖怪が力を弱めた隙に王子は腕の間から抜け出します。
シンデレラ:王子様!
王子:僕はこれからあの妖怪を倒そうと思う。
 僕がひきつけておくからキミは逃げるんだ。
シンデレラ:……いいえ。あたしにも手伝わせて下さい! きっとお役に立てるはずです!
王子:キミ……。
大妖怪:さっきから邪魔ばかり入って気分が悪いわい。
 おい小僧。今ワシとやろうってんなら、楽に死ねると思わねェことだ。
王子:キミは僕の居場所を侵そうとした。だから僕はキミを許さない。
 ……完全獣化!
GM:王子の体が見る間に異形のものへと化していきます。王子が立っていた場所にいるのは、大妖怪に負けず劣らずの異形をした存在です。
 それを見た大妖怪は怯むどころか、獰猛な笑みを浮かべました。
大妖怪:ちったぁ骨がありそうじゃねェか。おもしれぇ!
GM:加速してぶつかり合う二匹の獣。王子が槍状にした腕で大妖怪を貫けば、大妖怪は腕から生やした刃で反撃します。
 一見五分と五分のようですが、シンデレラの客観的な目からは妖怪の方が有利であるように見ました。
 大妖怪はまだ余裕を残している印象であるのに比べて、王子の方は受けた傷が段々治らなくなってきているのです。
シンデレラ:なんとかしないと……。
GM:シンデレラは全ての感覚を総動員して大妖怪を観察します。
 すると、王子から攻撃を受けないよう庇っている部分があることに気付きました。
 妖怪も悟られないように動いているためにわかりにくいですが、確かにそこに攻撃を受けないようにしています。
シンデレラ:王子様! あの化け物の弱点はあそこです!
GM:シンデレラが看破した弱点を指差すと、王子は小さく頷きました。
 ふと動きを止めると、静かな声で大妖怪に語りかけました。
王子:妖怪。
大妖怪:あン?
王子:確かにキミは強い。けど、キミにはなくて僕にはあるものがある。だから僕は負けない。
大妖怪:何がないってンだよ。
王子:それは……人と人との絆だ!!
GM:王子は妖怪に憐みを覚えました。誰とも触れ合おうとしない姿は、少し前までの自分とも重なります。
 しかし、そうした過去の自分への決別の思いも込めて。王子はシンデレラが指し示した一点に腕を突き出しました。
 腕は易々と大妖怪に突き刺さりました。
大妖怪:っがああああぁぁぁ!
GM:大妖怪は悶え苦しみ、やがて重い音を立てて地面に膝をつきました。
 膝を屈した大妖怪は憎しみを込めた目で王子を睨みます。
 そんな大妖怪を、王子は静かに見つめ返しました。
王子:……行くといい。
大妖怪:ワシを見逃そうってのか。
王子:そうだ。ただし、もしまた来て人を食おうとしたら今度こそキミを殺す。
大妖怪:……ハッ! この大妖怪様が、小僧ごときに情けをかけられるたぁな!
GM:大妖怪は大きく後退すると、王子を睨みながら叫びました。
大妖怪:言っとくがな! それでワシが心を入れ替えるなんぞと思ったら大間違いだぜ!
 腹さえ減ってなけりゃ、オメェなんかに負けやしねぇンだ!
 そのうちまた襲って、今度こそテメェを食ってやらぁ!
GM:捨て台詞を残すと大妖怪は夜の闇へと消えていきました。
 息をもらすと王子は元の姿に戻りました。そしてシンデレラの方に向き直ります。
王子:キミの助言のおかげで助かったよ。ありがとう。
シンデレラ:はにゃ……そんな、大したことはしてませんよ!
王子:今から城に来て一曲踊ってもらえないかな。キミさえ良ければだけど……。
シンデレラ:いいんですか!? はい、喜んで!
王子:良かった。
 そうだ、まだキミの名前を聞いてなかったね。キミはなんて言うんだい?
シンデレラ:あ、あたしは――
GM:シンデレラの言葉を遮るように、お城からは日付けが変わったことを示す鐘の音が聞こえてきます。
シンデレラ:あ、もうそんな時間なんですね。
王子:時間が過ぎるのは早いね。今日はもう遅いから踊るのはまた後日にしようか。
 今度城から迎えを出すから、ぜひ来てほしい。
シンデレラ:はい! 楽しみにしてますね!
魔法使い:あのさあ。
シンデレラ:はい?
魔法使い:取り込み中のところ悪いんだけど。
 僕のエフェクト、12時までしかもたないって言ったよねえ。
シンデレラ:あ。
GM:魔法使いの指摘に自分の服を見てみると、いつの間にかドレスは灰をかぶった元の服に戻っていました。
シンデレラ:はにゃー!?
王子:あ、キミ!?
シンデレラ:はにゃー! 見ないで――! はにゃああぁぁぁっ!
GM:王子にみすぼらしい姿を見せたくない一心で、シンデレラは全力で走り去りました。
王子:い、行ってしまった……。
 ……そうだ! キミは彼女の名前を知っているんだろう!?
GM:王子が振り向くと、つい先ほどまでそこにいたはずの魔法使いの姿が随分遠くにありました。
 魔法使いは何故かくるくる回りながら去っていきます。
魔法使い:僕はもう帰るよー。
王子:お、おい!? 待ってくれ!
魔法使い:ふふふ、愛の力で姫を探し出す、さながらキミは王子だね?
王子:わけがわからないよっ!?
GM:王子のつっこみが夜の街に虚しく響きました。王子は呆然と立ち尽くしています。
王子:困ったな。彼女の名前すらわからないのにどうやって探そう。
 ……あ、そうだ。

GM:翌日。王子は家臣を集め、昨夜自分を助けてくれた娘を探すよう命令を下しました。
 たった一つの目印を頼りに、家来達はシンデレラを探します。
 そして従者と大臣の二人がシンデレラの家にやってきました。
 好機とばかりに自分の娘を売り込む継母でしたが、少しばかり会話を交わしただけで大臣も従者も首を振りました。
大臣:違うな。
従者:みたいだな。
姉2:なんだって?
姉1:な、何を根拠に違うと!?
従者:この家に他に娘はいないのか?
継母:おりません。
GM:継母は間髪入れず、何の迷いもなく否定しました。
 従者と大臣が顔を見合わせて、帰ろうとしたその時です。
シンデレラ:はにゃ~。お義母さま、掃除が終わりました。
大臣:むっ!
GM:顔を出したシンデレラを見て、大臣の顔つきが変わりました。
 銃を抜き放つと目を白黒させているシンデレラにつきつけます。
大臣:ちょっといいかね。もう一回鳴いてみてもらいたいんだがなぁ?
シンデレラ:は、はにゃ~!?
大臣:あぁ~ん? よく聞こえんなぁ~!?
シンデレラ:はにゃ~!
大臣:ワーンスモアッ!
シンデレラ:はにゃー!!!
従者:そのくらいにしておけよ兄貴。
 確認は取れただろうがよ。
大臣:ふむ、そうだな。
 ご婦人。この娘は預かるぞ。
GM:自分の娘ではなくシンデレラを連れていこうとする二人を継母は慌てて呼び止めます。
継母:待って下さい。何故、そのシンデレラが王子の探している娘だと?
GM:継母の言葉に、足を止めた二人は声をそろえて言いました。
従者・大臣:「「はにゃーと鳴く娘を探せ、と言われたからだ」」

GM:数日後、王子がお嫁さんを見つけたという良い知らせが発表されました。
 やがて城に迎え入れられたシンデレラは末永く幸せに暮らしたそうです。
 めでたしめでたし。
王子:シンデレラ。今日は一緒に水族館に行こうか。
シンデレラ:はい、王子様! あ、あたし、二人分のお弁当作りますね♪
GM:シンデレラのおかげでネクラだった王子も今ではバカップルの片割れになり、すっかり丸くなったという噂が流れましたが、それはまた別のお話。



*出演者*
シンデレラ→結希(無印)
継母→マーヤ(ストライク)
姉2→聖音(オリジン)
姉1→ミナリ(アライブ)
魔法使い→薫(アライブ)
王子→ケイト(無印)
従者→司(無印)
大臣→永斗(無印)
大妖怪→イクフサ(ジパング)
女の子1→エミリア(エクソダス)
女の子2→クリス(トワイライト)
女の子3→狛江(オリジン)
女の子4→モルガン(ストライク)
 



薫と司と永斗の出番が心なしか多いのは、愛ですね(言い切った)
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パソコンいじり
自己紹介:
ゲーマー猫好きひっきー体質。これはひどい。

普段自分の趣味を語らないんですが、

ネット上でくらいはっちゃけちまえ

と思いブログ開設。

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サンホラについてとか語ったり

時々愚痴も入る。人間だもの。

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