感想を語ったり普通に日記だったりするブログ。時々愚痴も出る。
語るのは主にTRPGリプレイものとサンホラと自サイト関連の話。
某動画の影響でリプレイRPG作りたいなーという気分に。
ついついダブルクロスのPCキャラチップを作ったりしましたが、一人ではやり遂げる前に飽きることがホラクエで判明したからなぁ。
嘘でダイジェストみたいなものを投下。
+ + + + + + + + + +
歌声が響いていた。耳を塞ぎたくなるような、全てを呪う歌声。
ぱちん、と指を弾く音がすると重力弾が飛来してきた。
それをかわしたと思えば今度は銃声。薔薇の花弁が風に舞った。
誰が敵で誰が味方だ?
必死に視線を廻らせる。場は混沌としていた。
「ブラスト!」
声と共に何もない空間が爆発した。予想外の攻撃に反応が遅れ、とっさに身をかばった少年の半身が焼かれた。
「くそ……あいつらを叩き斬るわけにもいかねえし……」
手にした日本刀を持て余しながら少年は毒づいた。
ふと上げた顔が苦虫を噛んだような表情になる。
「お前もかよ……」
少年の前に立った少女は手の中に糸を生み出しながら叫んだ。
「お前を……切り裂いてやる!」
シルクスパイダーが牙を剥いた。
砂塵が吹き荒れる砂漠に、一人の少女ともう一つ青年の姿。そして二人の眼前には巨大な怪物。
「くそっ、なんだこいつ! 首領級にしてもケタ違いじゃねぇか!」
黒翼の青年が叫んだ。
いかに彼が斬ろうとも相棒の少女が黒炎で焼こうとも、目の前の怪物には効かなかった。
怪物がすぅと息を吸い込むのを見た二人は散開した。その直後、二人がいた場所を炎が舐め"砂が蒸発した"。
「……考えがあります」
険しい目で怪物を見ていた少女は、青年に囁いた。
「私が時間を稼ぎますから、助けを呼んで来て下さい」
「な……」
目を見開いた青年はすぐに顔を真赤にして叫んだ。
「何馬鹿なこと言ってんだ! お前一人じゃ30秒ももたねぇ!」
「このままじゃ二人とも死ぬだけです。私は大丈夫ですから、行って下さい!」
青年はなおも何かを言いかけたが、少女の決意が揺るがないと見て諦めた。
「【放ち爆ぜる炎】!」
少女が生み出した黒炎が怪物を包み込んだ。煩わしそうに頭を振る怪物には確かな隙ができた。
その隙に黒い翼を広げ青年が飛び立った。
「必ず助けに来る! 死んでも獄から連れて帰ってやるから、待ってろ!」
声に反応したのか、怪物がゆっくりと彼に目を向けた。すると少女が叫んだ。
「邪魔はさせません! 【放ち葬る炎】!」
再び怪物が黒い炎に包まれた。痛くはないが、鬱陶しい。そんな様子で怪物は少女の方へ頭をめぐらせる。
そうこうする間に青年の姿が点となり、消えた。
後は少しでも長く時間を稼ぐだけ。
一人残された少女は強大な敵を前に、ぽつりとつぶやいた。
「待ってますから。たまには、甲斐性見せて下さいね――」
「でやああ!」
少女が見るからに身に余る大剣を振りかぶり、斬りつけた。
直撃を受けた魔物は無残にも潰れた。しかし少女の顔にあるのは焦りの色。
絶命したはずの魔物が、ぴくりと動いた。
「こ、これでもだめなの!?」
金髪の娘が悲痛の叫びを上げた。傍らのドワーフは渋面を浮かべる。
「ホーリーウェポンつきならあるいはと思ったんじゃがの……」
「ここは一旦退いた方がいいよ。あの街の人たちもこいつにやられたに違いないし」
赤毛の少年の提案に、一人を除いて頷いた。
「だ、だめです! 邪悪に屈するわけにはいきません!」
少女は叫ぶと大剣を構えなおした。放っておけば最後まで戦おうとするだろう。
「あー、それは違うゾ。あいつを倒すいい策があるんだ。決して逃げるわけじゃナイ」
うそ臭い口調で長身の青年が言う。少しの疑念を抱きながらも少女はその言葉を信じたようだ。
「そ、そうなんですか? そういうことなら……」
「あのさー……なんかヤバイ感じだよ?」
魔物を観察していた黒髪の少年が硬い声でつぶやいた。
何事かと全員が視線を向けたその時、視界が紫色の煙に包まれた。
煙がはれた後にあったのは7体の精巧な石像の姿――。
少女が疾っていた。
息を切らしながらも、足を止めることなく走り続けている。それに合わせて緑色のマフラーが舞っていた。
彼女の顔に浮かぶのは恐怖と、そして戸惑いの色。
少女の勘が、わずかな違和感を感じかけたその時――
「っ痛!」
白い肌を傷つけたのは無数の石つぶて。
直撃は免れたものの、予期せぬ痛みに少女は転倒した。
慌てて立ち上がろうとする少女にゆっくりと歩み寄る影が一つ。
「……ああ……」
"彼"の姿を目にした少女は立ち上がれないまま彼を凝視していた。
赤い帽子に赤いローブ。紫色の髪と瞳。
あり得ない。
あり得ない。
あの人がいるわけない。
でも。
会えることなら、もう一度会いたかった……。
少女がゆっくりと手をのばした。
彼もまた手をのばし――じゃこん、と手の平が開いた。
響け絶望の歌声。味方が敵に変わる瞬間を恐れるがいい。
鉄壁を誇るモノ。己の無力さを思い知るがいい。
終わりなきモノ。静謐な石の世界に埋没するがいい。
死者を操る魔王。いずれ訪れる世界の支配者に屈するがいい。
人よ。妖精よ。機械よ。悪魔よ。我が愛しい子達。
嗚呼、歓びなさい。終焉の日は――もうすぐだ。
ぱちん、と指を弾く音がすると重力弾が飛来してきた。
それをかわしたと思えば今度は銃声。薔薇の花弁が風に舞った。
誰が敵で誰が味方だ?
必死に視線を廻らせる。場は混沌としていた。
「ブラスト!」
声と共に何もない空間が爆発した。予想外の攻撃に反応が遅れ、とっさに身をかばった少年の半身が焼かれた。
「くそ……あいつらを叩き斬るわけにもいかねえし……」
手にした日本刀を持て余しながら少年は毒づいた。
ふと上げた顔が苦虫を噛んだような表情になる。
「お前もかよ……」
少年の前に立った少女は手の中に糸を生み出しながら叫んだ。
「お前を……切り裂いてやる!」
シルクスパイダーが牙を剥いた。
砂塵が吹き荒れる砂漠に、一人の少女ともう一つ青年の姿。そして二人の眼前には巨大な怪物。
「くそっ、なんだこいつ! 首領級にしてもケタ違いじゃねぇか!」
黒翼の青年が叫んだ。
いかに彼が斬ろうとも相棒の少女が黒炎で焼こうとも、目の前の怪物には効かなかった。
怪物がすぅと息を吸い込むのを見た二人は散開した。その直後、二人がいた場所を炎が舐め"砂が蒸発した"。
「……考えがあります」
険しい目で怪物を見ていた少女は、青年に囁いた。
「私が時間を稼ぎますから、助けを呼んで来て下さい」
「な……」
目を見開いた青年はすぐに顔を真赤にして叫んだ。
「何馬鹿なこと言ってんだ! お前一人じゃ30秒ももたねぇ!」
「このままじゃ二人とも死ぬだけです。私は大丈夫ですから、行って下さい!」
青年はなおも何かを言いかけたが、少女の決意が揺るがないと見て諦めた。
「【放ち爆ぜる炎】!」
少女が生み出した黒炎が怪物を包み込んだ。煩わしそうに頭を振る怪物には確かな隙ができた。
その隙に黒い翼を広げ青年が飛び立った。
「必ず助けに来る! 死んでも獄から連れて帰ってやるから、待ってろ!」
声に反応したのか、怪物がゆっくりと彼に目を向けた。すると少女が叫んだ。
「邪魔はさせません! 【放ち葬る炎】!」
再び怪物が黒い炎に包まれた。痛くはないが、鬱陶しい。そんな様子で怪物は少女の方へ頭をめぐらせる。
そうこうする間に青年の姿が点となり、消えた。
後は少しでも長く時間を稼ぐだけ。
一人残された少女は強大な敵を前に、ぽつりとつぶやいた。
「待ってますから。たまには、甲斐性見せて下さいね――」
「でやああ!」
少女が見るからに身に余る大剣を振りかぶり、斬りつけた。
直撃を受けた魔物は無残にも潰れた。しかし少女の顔にあるのは焦りの色。
絶命したはずの魔物が、ぴくりと動いた。
「こ、これでもだめなの!?」
金髪の娘が悲痛の叫びを上げた。傍らのドワーフは渋面を浮かべる。
「ホーリーウェポンつきならあるいはと思ったんじゃがの……」
「ここは一旦退いた方がいいよ。あの街の人たちもこいつにやられたに違いないし」
赤毛の少年の提案に、一人を除いて頷いた。
「だ、だめです! 邪悪に屈するわけにはいきません!」
少女は叫ぶと大剣を構えなおした。放っておけば最後まで戦おうとするだろう。
「あー、それは違うゾ。あいつを倒すいい策があるんだ。決して逃げるわけじゃナイ」
うそ臭い口調で長身の青年が言う。少しの疑念を抱きながらも少女はその言葉を信じたようだ。
「そ、そうなんですか? そういうことなら……」
「あのさー……なんかヤバイ感じだよ?」
魔物を観察していた黒髪の少年が硬い声でつぶやいた。
何事かと全員が視線を向けたその時、視界が紫色の煙に包まれた。
煙がはれた後にあったのは7体の精巧な石像の姿――。
少女が疾っていた。
息を切らしながらも、足を止めることなく走り続けている。それに合わせて緑色のマフラーが舞っていた。
彼女の顔に浮かぶのは恐怖と、そして戸惑いの色。
少女の勘が、わずかな違和感を感じかけたその時――
「っ痛!」
白い肌を傷つけたのは無数の石つぶて。
直撃は免れたものの、予期せぬ痛みに少女は転倒した。
慌てて立ち上がろうとする少女にゆっくりと歩み寄る影が一つ。
「……ああ……」
"彼"の姿を目にした少女は立ち上がれないまま彼を凝視していた。
赤い帽子に赤いローブ。紫色の髪と瞳。
あり得ない。
あり得ない。
あの人がいるわけない。
でも。
会えることなら、もう一度会いたかった……。
少女がゆっくりと手をのばした。
彼もまた手をのばし――じゃこん、と手の平が開いた。
響け絶望の歌声。味方が敵に変わる瞬間を恐れるがいい。
鉄壁を誇るモノ。己の無力さを思い知るがいい。
終わりなきモノ。静謐な石の世界に埋没するがいい。
死者を操る魔王。いずれ訪れる世界の支配者に屈するがいい。
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サンホラについてとか語ったり
時々愚痴も入る。人間だもの。
あ、カウンターは自作です。
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