感想を語ったり普通に日記だったりするブログ。時々愚痴も出る。
語るのは主にTRPGリプレイものとサンホラと自サイト関連の話。
かなーり久しぶりに更新ー。何週間ぶりですかねぇ。びっくりですよ!(何が)
エレフ&ミロスの旅終了のお知らせ。
描写ができなくてorz状態。自分の語彙力は小学生並かー!
次の死せる者達の物語はエレフ視点だとほとんど書くことないからオリオンの噂話を持ち越すことにしました。
しかしのみち版ミラではオリオンの扱いがかなり残念だったねです。「俺達友達」感覚が双方向じゃないという。
エレフ&ミロスの旅終了のお知らせ。
描写ができなくてorz状態。自分の語彙力は小学生並かー!
次の死せる者達の物語はエレフ視点だとほとんど書くことないからオリオンの噂話を持ち越すことにしました。
しかしのみち版ミラではオリオンの扱いがかなり残念だったねです。「俺達友達」感覚が双方向じゃないという。
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野営をしている間にもミロスは詩を口にしていたが、エレフはいつものように適当に聞き流した。
焚き火に薪をくべるそばで昔母から聞いた気がする神々の名が左から右へ流れていく。
「エレフ。星を見たことはあるか?」
藪から棒な質問にエレフはあきれ顔で答えた。
「それくらい、あるに決まってんだろ。毎晩空に浮かんでるじゃねーか」
「ならばその星々をよく見たことは? 星座を見い出したことはあるかの?」
畳みかけられた問いにエレフは答えず渋い顔をした。星座なんて覚えなくていいものだと思っていた。だいたい、あんな少ない点で物に例えるのは無茶というものだ。
「ほっほっほ……この季節じゃと、そうじゃな。丁度良いものがあるはずじゃ」
老人は立ち上がるとふらふらと歩き出した。いぶかりながらもエレフがその後を追う。
ぴたりと足を止めた老人は空の一点を指差した。
「彼方で寄り添う双星……あれがお主の星じゃあ」
言われて老人の指先を見上げるが、夜空には数多の星が輝いている。予備知識のない者にどうやってそれを探せというのか。
「……適当なこと言うなよジジイ!」
「ほっほっほっほ」
怒鳴ってみるがミロスが反省しないのはもうわかっていた。ふんと鼻をならすとエレフは元の場所に戻っていった。
振り向くと、まだ立ち尽くしている師に声をかけた。
「ジジイも早く寝ろよ。明日もまた歩くことになるんだからな」
「ほっほっほ……のぅ、エレフ」
「なんだよ」
「ワシの寝袋はどこかのぅ」
ミーシャを尋ねながら幾千里歩いたことか。季節をうつろいながら続いた旅はようやく終わりを迎えようとしていた。
エレフとミロスはついにアルカディオに着いたのだ。
まっすぐ家へ向かいかけたエレフだったが、不意に方向を変えた。
足音がそれたことに気付いたらしくミロスが声をかける。
「エレフ、何処へ行くのじゃ」
「ちょっと確認しておきたいことがあるんだよ」
素っ気なく返すと急ぎ足でその場所へ向かった。
その場所は行き交う人に聞けばすぐわかった。聞いていた通りだ。
ゆっくりと扉を開けると視界に入ってきたのは服の山。
「いらっしゃい!」
カウンターに座っていた、青年をやや過ぎた印象の男が笑顔を向けてきた。
「おや。見ない顔だけど、旅人さんかな?」
男はにこにこと笑いかけてくる。
しかし客としてきたわけではないエレフはいささか気まずそうに尋ねた。
「あ、えっと……少し聞きたいことがあるんですけど……」
エレフの言葉に男は笑顔を崩さないまま促した。
「ん? なんだい?」
「母さ……デルフィナって人、来てますか?」
「デルフィナさんかい?」
わかる名前だったようだ。男は顎に手を当てた。
「そういや、しばらく見てないな。いったいどうしたんだろうなぁ」
カウンターの男は首を傾げた。
母は最近馴染みの仕立て屋に足を運んでいないらしい。
嫌な予感を押し込めつつ、次の質問をぶつけた。
「じゃ、じゃあ……ここに俺と似た女の子が来ませんでした?」
「は?」
男は呆気に取られた顔をした。少年に『自分とよく似た少女』と言われて混乱したのだろう。
双子という考えにはいたらないようで、釈然としない様子ながらも首をひねった。
「いやー……見てないなぁ」
「そうですか……すみませんでした」
軽く頭を下げるとエレフはとぼとぼと店を後にした。
その後姿を見送りながら、男はしげしげとつぶやいた。
「紫色の瞳なんて初めて見たなぁ。どこの子だろう」
「用件は済んだんじゃな?」
店の外で待っていたミロスが腰を上げた。
「仕立て屋らしいが、服を買うつもりだったのかの?」
「そういうわけじゃねーよ」
不機嫌に言い放つとエレフはさっさと歩き出した。杖をついた老人がやれやれとついていく。
山を上り始めてすぐにミロスが口を開いた。
「のうエレフ。山道のような気がするんじゃが、気のせいかのぅ?」
「確かに山だけど、それがどうかしたか?」
エレフの答えに老人はうなった。またすぐに問いかける。
「お主の家に向かうのではなかったのかの?」
「だから、山の中に家があるんだよ」
厚く積み重なった落ち葉をがさがさと踏み分けエレフは進む。
その後ろを歩くミロスは三度目の問いをした。
「どうしてわざわざそんな辺鄙なところに住んでおるのじゃ」
「放っといてくれよ」
言いながらも急ぎ足になっていくエレフ。やがて走り出した。
「エレフ~。ワシを置いていかんでくれ~」
小さくなっていく師の声を置き去りにエレフは家を目指した。
茜に染まるアルカディアの山。落ち葉を巻き上げる際に薫る山の匂いはあの頃と何も変わっていなかった。
あの時もそうだ。
エレフは思った。
家族と引き離されたあの日も、こうして夕刻に家を目指して走っていた。
あの時と違うのは、走っているのが自分ひとりだということ。伸びる影法師が二つから一つになっただけでこんなに哀しくなるとは、あの頃の自分は考えもしなかった。
ああ、もうすぐ懐かしい我が家だ。
疲れに期待が合わさって胸が高鳴っている。
ついに、父と母とミーシャと暮らしたあの家が見えた。
同時に目に飛び込んできたものは残酷な現実をつきつけてくるもの。
夕暮れに並んだ二つの墓標。
長く影を落としている墓を目にした瞬間、エレフの足がぴたりと止まった。
息が整わないまま、昔の記憶にないその物体を凝視していた。
やがて踏み出した。一歩、また一歩と頼りない足取りで。
墓前にたどり着いたエレフは震える声でそこに刻まれている文字を読んだ。
「ポリュデウケス……デルフィナ……ここに眠る……」
それは紛うことなき両親の名。エレフはついに決定的となった現実に泣き崩れた。
「父様……母様……!」
搾り出すようにうめくと地につけた拳をきつく握り締める。
予感はあった。しかしどこかで期待していたのだ。我が子の帰りを待ちわびる両親の姿がそこにあることを。
墓に手向けられているのは朽ちた花束。すっかり色褪せ干からびた花が時間の経過を物語っている。
二人を葬ったのは誰か――。
「気を落とすでないぞ、エレフ」
ミロスが追いついてきていたらしい。声がかけられるが、エレフは振り向かなかった。
そんなエレフに師が告げたのは慰めの言葉でも励ましの言葉でもなかった。
「ワシはこの先、雷神殿に行こうと思うておる。師弟ごっこはここで終いじゃ」
弾かれたようにエレフが振り向いた。
「お師匠!」
「さぁ、お立ちなさい友よ。お主はお主の地平線を目指して」
エレフはしばらく困惑した顔でミロスを見ていた。まだしばらくは共に旅をするものと思っていた。
しかしこれはミロスなりの気遣いなのだと気がついた。
師は、エレフに本当の一人立ちを促している。
もしかしたら盲目の上に老いた身が一緒では旅が遅れることも気にしてくれたのかもしれない。そう思ったのはしばらく後になってからだったが。
ごしごしと涙を拭き取るとエレフはまっすぐ立ち上がった。そして師に向き直ると深々と頭を下げた。
「今までお世話になりました」
「ほっほっほっほ……」
老人はいつものように笑ったが、その顔は深い慈愛に満ちていた。
「エレフ。ワシからの最後の助言じゃ。
困った時はレスボス島を訪ねなさい。わしの旧知の友が力になってくれるじゃろう」
「レスボス島……」
「麓までは共に行こうぞ。そこから先はそれぞれの道を進むのじゃ」
「……はい」
エレフは神妙な顔でうなずく。
出会いがあれば別れもある。それが旅というもの。
人生そのものもまた旅である。出会いがあればいずれ喪失がある……。
焚き火に薪をくべるそばで昔母から聞いた気がする神々の名が左から右へ流れていく。
「エレフ。星を見たことはあるか?」
藪から棒な質問にエレフはあきれ顔で答えた。
「それくらい、あるに決まってんだろ。毎晩空に浮かんでるじゃねーか」
「ならばその星々をよく見たことは? 星座を見い出したことはあるかの?」
畳みかけられた問いにエレフは答えず渋い顔をした。星座なんて覚えなくていいものだと思っていた。だいたい、あんな少ない点で物に例えるのは無茶というものだ。
「ほっほっほ……この季節じゃと、そうじゃな。丁度良いものがあるはずじゃ」
老人は立ち上がるとふらふらと歩き出した。いぶかりながらもエレフがその後を追う。
ぴたりと足を止めた老人は空の一点を指差した。
「彼方で寄り添う双星……あれがお主の星じゃあ」
言われて老人の指先を見上げるが、夜空には数多の星が輝いている。予備知識のない者にどうやってそれを探せというのか。
「……適当なこと言うなよジジイ!」
「ほっほっほっほ」
怒鳴ってみるがミロスが反省しないのはもうわかっていた。ふんと鼻をならすとエレフは元の場所に戻っていった。
振り向くと、まだ立ち尽くしている師に声をかけた。
「ジジイも早く寝ろよ。明日もまた歩くことになるんだからな」
「ほっほっほ……のぅ、エレフ」
「なんだよ」
「ワシの寝袋はどこかのぅ」
ミーシャを尋ねながら幾千里歩いたことか。季節をうつろいながら続いた旅はようやく終わりを迎えようとしていた。
エレフとミロスはついにアルカディオに着いたのだ。
まっすぐ家へ向かいかけたエレフだったが、不意に方向を変えた。
足音がそれたことに気付いたらしくミロスが声をかける。
「エレフ、何処へ行くのじゃ」
「ちょっと確認しておきたいことがあるんだよ」
素っ気なく返すと急ぎ足でその場所へ向かった。
その場所は行き交う人に聞けばすぐわかった。聞いていた通りだ。
ゆっくりと扉を開けると視界に入ってきたのは服の山。
「いらっしゃい!」
カウンターに座っていた、青年をやや過ぎた印象の男が笑顔を向けてきた。
「おや。見ない顔だけど、旅人さんかな?」
男はにこにこと笑いかけてくる。
しかし客としてきたわけではないエレフはいささか気まずそうに尋ねた。
「あ、えっと……少し聞きたいことがあるんですけど……」
エレフの言葉に男は笑顔を崩さないまま促した。
「ん? なんだい?」
「母さ……デルフィナって人、来てますか?」
「デルフィナさんかい?」
わかる名前だったようだ。男は顎に手を当てた。
「そういや、しばらく見てないな。いったいどうしたんだろうなぁ」
カウンターの男は首を傾げた。
母は最近馴染みの仕立て屋に足を運んでいないらしい。
嫌な予感を押し込めつつ、次の質問をぶつけた。
「じゃ、じゃあ……ここに俺と似た女の子が来ませんでした?」
「は?」
男は呆気に取られた顔をした。少年に『自分とよく似た少女』と言われて混乱したのだろう。
双子という考えにはいたらないようで、釈然としない様子ながらも首をひねった。
「いやー……見てないなぁ」
「そうですか……すみませんでした」
軽く頭を下げるとエレフはとぼとぼと店を後にした。
その後姿を見送りながら、男はしげしげとつぶやいた。
「紫色の瞳なんて初めて見たなぁ。どこの子だろう」
「用件は済んだんじゃな?」
店の外で待っていたミロスが腰を上げた。
「仕立て屋らしいが、服を買うつもりだったのかの?」
「そういうわけじゃねーよ」
不機嫌に言い放つとエレフはさっさと歩き出した。杖をついた老人がやれやれとついていく。
山を上り始めてすぐにミロスが口を開いた。
「のうエレフ。山道のような気がするんじゃが、気のせいかのぅ?」
「確かに山だけど、それがどうかしたか?」
エレフの答えに老人はうなった。またすぐに問いかける。
「お主の家に向かうのではなかったのかの?」
「だから、山の中に家があるんだよ」
厚く積み重なった落ち葉をがさがさと踏み分けエレフは進む。
その後ろを歩くミロスは三度目の問いをした。
「どうしてわざわざそんな辺鄙なところに住んでおるのじゃ」
「放っといてくれよ」
言いながらも急ぎ足になっていくエレフ。やがて走り出した。
「エレフ~。ワシを置いていかんでくれ~」
小さくなっていく師の声を置き去りにエレフは家を目指した。
茜に染まるアルカディアの山。落ち葉を巻き上げる際に薫る山の匂いはあの頃と何も変わっていなかった。
あの時もそうだ。
エレフは思った。
家族と引き離されたあの日も、こうして夕刻に家を目指して走っていた。
あの時と違うのは、走っているのが自分ひとりだということ。伸びる影法師が二つから一つになっただけでこんなに哀しくなるとは、あの頃の自分は考えもしなかった。
ああ、もうすぐ懐かしい我が家だ。
疲れに期待が合わさって胸が高鳴っている。
ついに、父と母とミーシャと暮らしたあの家が見えた。
同時に目に飛び込んできたものは残酷な現実をつきつけてくるもの。
夕暮れに並んだ二つの墓標。
長く影を落としている墓を目にした瞬間、エレフの足がぴたりと止まった。
息が整わないまま、昔の記憶にないその物体を凝視していた。
やがて踏み出した。一歩、また一歩と頼りない足取りで。
墓前にたどり着いたエレフは震える声でそこに刻まれている文字を読んだ。
「ポリュデウケス……デルフィナ……ここに眠る……」
それは紛うことなき両親の名。エレフはついに決定的となった現実に泣き崩れた。
「父様……母様……!」
搾り出すようにうめくと地につけた拳をきつく握り締める。
予感はあった。しかしどこかで期待していたのだ。我が子の帰りを待ちわびる両親の姿がそこにあることを。
墓に手向けられているのは朽ちた花束。すっかり色褪せ干からびた花が時間の経過を物語っている。
二人を葬ったのは誰か――。
「気を落とすでないぞ、エレフ」
ミロスが追いついてきていたらしい。声がかけられるが、エレフは振り向かなかった。
そんなエレフに師が告げたのは慰めの言葉でも励ましの言葉でもなかった。
「ワシはこの先、雷神殿に行こうと思うておる。師弟ごっこはここで終いじゃ」
弾かれたようにエレフが振り向いた。
「お師匠!」
「さぁ、お立ちなさい友よ。お主はお主の地平線を目指して」
エレフはしばらく困惑した顔でミロスを見ていた。まだしばらくは共に旅をするものと思っていた。
しかしこれはミロスなりの気遣いなのだと気がついた。
師は、エレフに本当の一人立ちを促している。
もしかしたら盲目の上に老いた身が一緒では旅が遅れることも気にしてくれたのかもしれない。そう思ったのはしばらく後になってからだったが。
ごしごしと涙を拭き取るとエレフはまっすぐ立ち上がった。そして師に向き直ると深々と頭を下げた。
「今までお世話になりました」
「ほっほっほっほ……」
老人はいつものように笑ったが、その顔は深い慈愛に満ちていた。
「エレフ。ワシからの最後の助言じゃ。
困った時はレスボス島を訪ねなさい。わしの旧知の友が力になってくれるじゃろう」
「レスボス島……」
「麓までは共に行こうぞ。そこから先はそれぞれの道を進むのじゃ」
「……はい」
エレフは神妙な顔でうなずく。
出会いがあれば別れもある。それが旅というもの。
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趣味:
パソコンいじり
自己紹介:
ゲーマー猫好きひっきー体質。これはひどい。
普段自分の趣味を語らないんですが、
ネット上でくらいはっちゃけちまえ
と思いブログ開設。
TRPGリプレイについてとか
サンホラについてとか語ったり
時々愚痴も入る。人間だもの。
あ、カウンターは自作です。
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TRPGリプレイについてとか
サンホラについてとか語ったり
時々愚痴も入る。人間だもの。
あ、カウンターは自作です。