先日自サイトで話にだしたものの断片を書き連ねるという。
未完成な上にかなり鬱な代物なのになんでだ私。
発見した「続きを書く」を使うチャンスかと!(だからってそんな
鬱だったり狂気だったりする感じなので見ない方が良いと思いますよ?
序章ではありますが続きは出さない気がします。
さらさ さらさら 異国の木
枝一本に短冊一つ
紙がなければ命を吊るせ
どこまで続くか不毛なレース
歩み止めれば命を刈るぞ
なびく なびく 葉茎が風に
揺れる 揺れる 私の心と この体
枝一本に短冊一つ
紙がなければ命を吊るせ
「バーブなんか植えたのか」
風の向くままに揺られる異国の植物を見下ろして、男はつぶやいた。
一定の間隔で節が刻まれる幹と、しなやかな枝から無数に伸びる細長い葉。風が吹く度にさらさらと小気味良い音が流れるのは本で読んだ通りだ。
向かいに立つ娘は、にこりと笑って答えた。
「うん。私が死ぬきっかけが欲しくなったから」
さらりと小さな唇から漏れた言葉。
詩を詠うように自然と出てきていた。あまりにも自然すぎて、強い違和感があった。
「は……?」
「知ってる? バープって、一日に一本ずつ枝を出すんだって」
問い返す意味の呟きを聞き流し、彼女はくるりと回った。つられて腰まで伸ばした髪が踊る。
知識には自信があるのに「知ってる?」という言い方をされて彼はいささか不満だった。憮然とした顔で答えた。
「知ってるさそれくらい。本に書いてあった」
「だからね。私はこれから毎日毎日枝に紙を吊るすの。紙には望みや願いを書いて」
彼女はまた彼の言葉を無視して言う。満面の微笑みと共に。
悪くはない考えだ。毎日続けるとなると、そのうち書くことがなくなりそうだが。
だが、それと死ぬきっかけがどう関係するのだろうか?
訝っていると彼女は自らその疑問の答えを提示した。
「それでね。
書くことがなくなったら、死ぬことにする」
男は反射的に彼女の顔を見た。
穏やかな笑顔だ。まるで世間話をしているかのような。
冗談には見えない。だが、彼女は本当にやるという確信めいた何かがあった。
「なんでまたそんなことを……」
「私が死にたいから。他に理由がいる?」
言葉の端にわずかな棘がちらついてきた。……よくない兆候だ。
刺激するべきではない。そう判断して、同意を見せる方向にもっていくことにした。
「……へぇ。で、それはいつからやるんだ?」
「思い立ったら吉日って言うでしょう? 今日から早速やるの」
「じゃあ、今日はなんて書くんだ?」
問われて娘は、くすくすと楽しそうに笑った。
「『早く死ねますように』」
バーブが風に吹かれてさらさらと鳴っている。
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普段自分の趣味を語らないんですが、
ネット上でくらいはっちゃけちまえ
と思いブログ開設。
TRPGリプレイについてとか
サンホラについてとか語ったり
時々愚痴も入る。人間だもの。
あ、カウンターは自作です。