……えぇ。色々とおかしいことはわかっていますとも。これ書いたのはゲームプレイして相当時間おいてからでしたし。
でもパソ内に置いていても腐るだけなので晒してみます。
ジューでダスーな人が少しでも自分のイメージとずれてほしくない人は読まないべき。相方は出てきません(笑)
「ジューダス!」
誰かが誰かを呼ぶ声がする。
「ジューダスってば!」
ジューダス?……あぁ、僕のことか。
好きに呼べと言ってやったらあいつがつけてきた僕の『名前』。
ふ、と小さく笑った。どこか自嘲めいた笑いだ。
『ジューダス』
あいつはその意味を知らなかったろう。考えてつけたとしたら残酷なことだ。
ジューダス。それは裏切り者の意。
最も、これ以上今の僕にふさわしい名はないだろうがな。
見つけられないせいで延々と叫びつづけるカイル。
さすがに苛立ってきたので、の上から顔を覗かせた。
「なんだ。騒がしいぞ」
「ジューダスがすぐ見つかるところにいないから呼んでるんだろ」
幼い顔立ちの少年は、むっとした様子で言った。
「どこにいようと僕の勝手だ。それで、何の用だ」
「ご飯だよ。ロニが呼んで来いってさ」
後悔なんてしないはずだった。彼女以外はどうでもいい存在のはずだったから。
愛する女性がいた。その女性のために、親友と呼べたはずの仲間たちを裏切った。
驚き。怒り。軽蔑。
あの時の彼らの顔は今でも思い出せる。
その仲間の息子に裏切り者の名をつけられるとは。偶然とは恐ろしいものだ。
「ジューダス、この間ニンジン残してたろ」
「何のことだ」
「とぼけてもだめだぞ。ロニが怒ってたんだから」
「ニンジン一つ食べないくらいで死ぬわけでもないんだ。こだわりすぎだろう」
「ピーマンも食べなかったくせに」
「…………」
言葉に詰まる。やや間を置いて、バカにしたようにため息をついてみせた。
「……下らんことしか覚えていないとは、脳細胞の無駄使いだな。お前はもっと有意義なことを記憶しておけ」
「なにー!?」
僕が犯した罪は償えるのだろうか。
いや。
たとえ償いきれないとしても、僕は出来る限りをしてやらなければならない。
エルレインの歪んだ世界の中でとはいえ、もう一度手にしたチャンスだから。
「ロニー。連れてきたよー」
「遅いぞカイル」
「ジューダスが変なところにいるんだもん」
「早く座れ」
にやりとロニが笑う。
「くっくっく。ジューダス」
ジューダスは思わず半歩引いた。
「な、なんだその気持ち悪い笑いは」
「この間野菜を残していたな? そんな偏食じゃ大きくなれないぞぉ?」
「何を食べようと僕の勝手だ!」
「だめだだめだ! というわけで、お前のためにスペシャルメニューを作ってやった!
さあ食えジューダス!」
ロニが差し出した皿に鎮座していたもの。
それは――ピーマンとニンジン(オンリー)の炒め物。
「何がスペシャルメニューだ貴様ッ! こんなもの食えるか!」
「あ! ロニ。ジューダスが逃げるよ!」
「逃がすかあ! 追うぞカイル!」
今度こそ僕は、"仲間"のために――。
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普段自分の趣味を語らないんですが、
ネット上でくらいはっちゃけちまえ
と思いブログ開設。
TRPGリプレイについてとか
サンホラについてとか語ったり
時々愚痴も入る。人間だもの。
あ、カウンターは自作です。